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管財事件

破産管財人による手続きです。
財産をお持ちの方や、「免責不許可事由」と呼ばれる特別な事情がある方の場合には、この手続きになります。

同時廃止

破産管財人によらない手続きです。
財産をお持ちでない方や、「免責不許可事由」と呼ばれる特別な事情が全くない方の場合には、この手続きが可能です。

自己破産とは

裁判所に申請(申立)することにより、持っている財産を手放した上で、借金を全て免除してもらう手続きです。
手放した財産は現金化され、債権者に配分されます。「財産」の具体的な例としては、下表のようなものがあります。

財産に含まれるものの一例

項 目 / 

備 考

現金

手持ちの現金のことです。

預金・貯金

銀行などの預貯金残高のことです。

退職金請求権

現時点で退職した場合の勤務先から支給される退職金の8分の1の金額が、現在の「財産」とみなされます。自己破産したからと言って、退職しなければいけないということではありません。

貸付金・売掛金

「貸付金」とは、他人に貸している金のことです。「売掛金」とは、事業上で物を販売した場合の未回収代金などのことです。

積立金

社内積立や財形貯蓄などのことです。

保険

現在加入されている生命保険などを、現時点で解約した場合に戻ってくる金(解約返戻金)の金額が、現在の「財産」とみなされます。

有価証券

株券や手形、小切手などのことです。その時価が問題になります。

自動車・バイク

自動車やバイクの査定価格が問題となります。

不動産

ご自宅などの査定価格が問題となります。住宅ローンが残っている場合は、その残高も考慮されます。

相続財産

ご親族が亡くなられている場合には、その方がお持ちだった財産を相続しているかどうかが問題になります。

事業設備等

事業で使っていた設備(什器、備品等)のことです。自営の方、会社を経営されている方の場合に問題になります。

自己破産のメリット

借金が全額免除される

消費者金融などだけでなく、住宅ローンや自動車ローンなども全て免除されます。この借金が免除されることを「免責」と言います。
※ただし、免除されないものもあります。例:養育費、税金、罰金等

業者からの支払いの督促や取り立てが止まる

消費者金融やクレジット会社など、借入れ業者からの督促は弁護士に依頼することで止まりますので、督促等のストレスから解放されます。また、破産手続開始後、債権者は給与差し押さえ等、強制執行ができなくなります。

自己破産のデメリット

一定の財産がなくなってしまう

一定額以上の価値のある財産は手放さなければなりません。ただし、裁判所による手続き開始時点でお持ちの財産のみが対象となりますので、裁判手続き開始時以降に新たに得た財産は対象外であり、原則として手放す必要はありません。

手続きの対象とする債権者を選ぶことができない

任意整理とは異なり、全ての借入れ(住宅ローン、自動車ローン、ショッピングローン、親族や知人からの個人的な借入れも含む)を手続きに含める必要があります。

一定の職業に就くことができない

自己破産の手続き中は、保険外交員、警備員、宅地建物取引主任者、証券外務員などの資格を使った職業には就くことができません。ただし、手続きが終わった後は、この制限は解除されます。

一定期間、新たな借り入れやクレジットカードの利用が出来なくなる

自己破産をしたということが信用情報に登録されると、新たな借入れができない、クレジットカードが利用できないなどの一定の制限があります。ただし、手続きから一定期間経過すると信用情報から削除され、その後の制限は一切ありませんのでご安心ください。

官報で公告される

国の行政機関によって公的に毎日発行される文書である官報に、住所、氏名が掲載されます。

破産後の生活への影響

家族等への影響

・家族等が連帯保証人になっていた場合、免責の効力は破産者その人のみに生じるものであり、保証人には支払義務が残ります。
・住宅や家族共有の自動車が破産者名義で購入されていた場合、その住宅や自動車も手放すことになります。

仕事への影響

・就ける職業が制限されます。

その他

・一定期間、新たな借入れやクレジットカードの利用が制限されます。
・破産手続き中は所在地を離れるための許可が必要になるため、海外渡航が困難になります。
・官報に住所氏名が記載されるため、官報を見る人には破産したことを知られてしまいます。

法人(会社)の破産

法人(会社)の破産についても、法人(会社)の所有する財産を現金化し、債権者に配分する手続きになります。
通常は、代表(代表取締役)の方も一緒に破産の手続きをする必要があります。

免責不許可事由とは

借金を免除(免責)するかどうかについては、裁判所が判断します。
その判断基準として、それまでの借入れ経緯や自己破産手続きに対する姿勢などが考慮され、
その中でも『借金の免除が許されない事情』があらかじめ定められています。その『事情』のことを『免責不許可事由』と言います。
ただし、『免責不許可事由』がある場合でも、その後の生活態度の改善度合や自己破産手続きに対する誠実な姿勢を考慮されることで、
免責が下される可能性も十分にあります。具体的な『免責不許可事由』は以下の通りです。

飲食・買い物・ギャンブルなどへの浪費

収入に見合わない飲食や買い物、ギャンブルを行っていた場合に『浪費』とみなされます。

ヤミ金の利用

『ヤミ金』とは、法外な高金利を課す貸金業者のことです。
元々、払う必要もない高額の金利を払うことにより借金を増やしてしまう行為が『免責不許可事由』に該当します。

換金行為

クレジットカードで商品を購入し、すぐにその商品を売却し、現金化することです。

偏った返済

一部の借入れに対してのみ優先的に返済することです。

詐欺的な借入れ

氏名や収入状況などを偽って借入れをすることです。

虚偽報告等

自己破産手続きにおいて、借入れや財産の状況などについて嘘の報告をすることです。

解決までの流れ

管財事件の流れ

同時廃止の流れはこちら

STEP.01

破産・免責手続
申立

裁判所へ申立書類を提出します。

STEP.02

破産審尋

裁判所に出頭し、負債額・財産状況等の説明を行います。

期日の指定はできません。特段の事情がない限り欠席はできず、不出頭の場合、免責許可の判断に影響がでる可能性があります。
裁判所・事案によっては、出頭が必要ない場合があります。
東京地方裁判所他一部の裁判所では、弁護士のみが出頭し、裁判官と面接を行う即日面接という制度があります(東京地裁は、申立日から3日以内)。

STEP.03

破産手続開始決定

破産手続きが始まり、破産管財人が選ばれます。

開始決定後、破産管財人宛に、郵便物の転送が開始されます(ご家族の物は転送されません)。
破産手続開始決定を受けたことが官報に掲載されます。

STEP.04

管財人との面接

破産管財人による事情聴取が行われ、説明を行います。
また、財産等の処理方法等についても打合せが行われます。

期日の指定はできません。特段の事情がない限り、欠席はできず、不出頭の場合、免責許可の判断に影響がでる可能性があります。
基本的には、破産管財人の事務所にて行われます。
複数回行われる場合もあります。

破産手続き

破産管財人の管理監督下で、財産の売却処分等や負債の調査等が行われます。

STEP.05

債権者集会兼
免責審問

裁判所に出頭します。破産管財人による財産・負債状況の報告会です。また、債権者の方が出廷される場合もあります。
集会終了後、免責審問が行われ、免責の可否の報告が行われます。

期日の指定はできません。特段の事情がない限り、欠席はできず、不出頭の場合、免責許可の判断に影響がでる可能性があります。
破産管財人から配当の有無、破産手続を終わらせるか(廃止)の報告がされます。
財産・負債の調査が終了していない場合等は、次回期日が設定されます。

STEP.06

破産手続廃止決定(異時廃止)

破産手続の廃止決定が行われます。

「廃止」とは、手続きが終了することです。
配当がない場合や、期日の延期がない場合には、通常は債権者集会の当日に廃止決定がされます。
配当がある場合は、廃止決定はされずに配当期日が設けられ、配当後に破産手続廃止決定がされます。

解 決

免責許可決定

裁判所にて免責許可決定が行われます。

※免責許可決定を受けたことが、官報に掲載されます。

同時廃止の流れ

管財事件の流れはこちら

STEP.01

破産・免責手続
申立

裁判所へ申立書類を提出します。

STEP.02

破産審尋

裁判所に出頭し、負債額・財産状況等の説明を行います。

期日の指定はできません。特段の事情がない限り欠席はできず、不出頭の場合、免責許可の判断に影響がでる可能性があります。
裁判所・事案によっては、出頭が必要ない場合があります。
東京地方裁判所他一部の裁判所では、弁護士のみが出頭し、裁判官と面接を行う即日面接という制度があります(東京地裁は、申立日から3日以内)。

STEP.03

破産手続開始決定
破産手続廃止決定

破産手続の開始決定と同時に手続の廃止決定が行われます。

破産手続開始決定・廃止決定を受けたことが官報に掲載されます。
裁判所、事案によっては、破産手続廃止決定前に、財産を現金化して債権者へ配当するように指示を受ける場合があり、同配当終了後に破産手続開始決定と廃止決定がされる場合があります。

STEP.04

免責審問

裁判所に出頭します。

期日の指定はできません。特段の事情がない限り、欠席はできず、不出頭の場合、免責許可の判断に影響がでる可能性があります。
東京地方裁判所の場合は、集団免責審問を行っており、複数の方が同時に審問を受けます。
裁判所、事案によっては、出頭が必要ない場合があります。

解 決

免責許可決定

裁判所にて免責許可決定が行われます。

※免責許可決定を受けたことが、官報に掲載されます。

自己破産の解決事例

自己破産の事例一覧

  1. CASE STUDY | 0

    自己破産

    事例内容

    製造業・会社員(42歳)です。 妻、子供2人(中学校・小学校)の4人暮らしです。 5年ほど前から業績悪化に伴い、手取収入が40万円から30万円に下がりました。加えて子供達の教育費も増えていく一方で、家計の不足分を借金で補うようになりました。 はじめのうちは、借金に後ろめたさがありましたが、借入れが増えていくにつれ…

  2. CASE STUDY | 0

    自己破産

    事例内容

    年金暮らし・67歳、 1人暮らしです。 50代の頃はパート収入もあったため、生活費が不足する時は、よく借金をして賄っていました。その後、年齢も原因してか、パート先を解雇され、生活費に困ったため、以前にもまして借金をするようになりました。 それから、数年が経過して年金を受給するようなりましたが、月手取・13万円ほど…

  3. CASE STUDY | 0

    自己破産

    事例内容

    保守業・会社員(52歳) 妻と義母の3人暮らしです。 独身時代から日常的にパチンコをしており、結婚後もこれを止められず、小遣いでは足りなくなったので借入を始めました。当初はパチンコのために借入をしていましたが、次第に債務返済に追われるようになり、借入と返済を繰り返した結果830万円もの負債を負うこととなりました。…

  4. CASE STUDY | 0

    自己破産

    事例内容

    専業主婦(36歳)です。 同居している家族は、夫の両親と子供3人(小学校、幼稚園、乳児)の7人暮らしです。 夫は両親と農業をしており、毎月10万円~30万円の手取収入を得ています。夫の父の持ち家に住んでいるため家賃はかかりませんが、毎月夫が入れてくれる生活費だけでは足りず、6~7年ほど前から借入れをするようになりま…

自己破産に関するよくあるご質問

自己破産について、いただいたご質問を紹介します。

自己破産をしたことを理由に解雇されることはありますか?
法律上は「自己破産をしたこと」自体を理由に、従業員を解雇することはできません。従業員を解雇するには正当な理由が必要ですが、自己破産したこと自体が、そのまま正当な理由になるものではありません。
自己破産をすると、給料の差押えを受けることはありますか?

裁判所にて破産手続きが始まるまでの間は、給料などの差押えを受けることはあります。 ただし、自己破産の裁判が始まった後は差押えができなくなりますし、すでに受けている差押えも必要な手続きを経ることで解消されます。

免責決定を得るとどうなるのですか?
免責許可決定を受け、これが確定すると、破産手続き開始決定の時に負っていた借金の全額について、責任を免れます。(配当がある場合には、破産手続開始決定時に負っていた借金のうち、配当後も残っている借金の全額) ただし、公租公課(税金)や罰金、反則金等、一部の債務については、引き続き返済義務が残ります。
自己破産とはどのような手続きですか?
いわゆる自己破産とは、自己の財産をもってしても借金を全額返すことができなくなった債務者が、自ら裁判所に申立てをして、その支払いを免除してもらう手続きのことをいいます。この手続きの中では、一定基準以上の財産はお金に換えて、各債権者に公平に分配されます。 自己破産は、「自己破産手続き」と「免責手続き」の2つに分かれています。裁判所(管財人)は、まず「自己破産手続き」において、債務者の借金や財産を調査し、一定の基準以上の財産についてはお金に換えて債権者に公平に分配します。その後、「免責手続き」において、債務者の借金を負った経緯や反省の度合い、生活再建の意思などから総合的に判断し、「借金の支払いを免除(免責)するか否か」の決定を下します。
自己破産をすると家族や勤務先に知られますか?
一般的に、破産申立てをしたことが家族や勤務先に知られることはありません。ただし、自己破産の事実は官報に掲載されます。官報とは、国が発行している新聞のようなもので、法律・政令等の制定・改正や裁判の内容等が掲載されているものです。 また、勤務先に借入れがあった場合には、勤務先が債権者となるので、裁判所から破産した事実が通知されます。 なお、自己破産は秘密のままに進められることもありますが、裁判所への申立てや生活の再建には家族の理解や支援が必要なことも多く、できる限り協力を得られるようご相談されることをお勧めします。

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