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事例紹介
労務マネジメントの解決事例をご紹介します。
事例1
経緯
A社は、従業員30名の機械製造業者です。創業30年の会社であるが、創業当時から、従業員に対して残業代を支払っていません。
ある1人の従業員が都道府県労働局に対して個別労働紛争のあっせんを申請し、残業代の未払いを請求してきました。
A社社長は、この対応だけでなく、今後の対応も相談されました。
MIRAIOからの
支援内容
最近、個別労働紛争によるあっせん申請や労働審判での労働紛争が多くなってきています。その多くが、解雇や残業代未払いです。
今回の相談では、創業以来、残業代を支払っていないということは、労働基準法37条違反です。労働局のあっせんにおいても当然、支払うよう要請されることは明白です。しかし、問題なのは、今回のあっせんは1名だけでしたが、これが残り29名から残業代支払いを請求された場合です。
2年間遡った残業代となると何百万円、あるいは何千万円ともなります。
中小企業にとっては、財政的に大きな痛手となり、最悪の場合、倒産に追い込まれる可能性も高くなります。
結果
<今回の相談ポイント>
C社の労務コンプライアンス診断にあたっての相談ポイントは、
当然、就業規則又は賃金規程において、割増賃金を支払うことを規定し、実際に、割増賃金を支払うこと
残業をさせるシステムを再検討し、残業すべき場合には必ず所属長などの上司の承認を受けるなど、不要な残業代を出さないようにすること
月ごとの業務の繁閑を見て、変形労働時間制の導入をするようにすること
賃金が問題となる場合には、休憩時間や有給休暇なども問題となっている場合が多く、総合的な診断を行うこと
です。
中小企業の場合、特に人件費の増大は深刻な問題ではありますが、単に財務的に深刻だけでなく、残業代未払いのような基本的かつ重要な問題は、企業存続に関わるほど企業コンプライアンスの根幹をなすものであることを、診断を通じてA社社長に認識していただきました。
この点が重要なポイントとなります。
事例2
経緯
B社は、従業員50人の小売業です。
課長以上の役職者には、年俸制を適用しています。B社社長は、同社年俸制における法的な違反がないかを相談されました。
MIRAIOからの
支援内容
A社の場合、一見、順調のように見えますが、相談を受けるうちに年俸額に時間外勤務が含まれていなかったということが判明しました。
年望額の決定方法については、A社の人事制度の問題であり、労務の法律的な問題から外れます。しかし、年俸制を適用すれば、時間外手当などは支払わなくてもよいと考えていたようです。
結果
<今回の相談のポイント>
1.年俸制であっても、時間外手当が含まれている場合には、その該当額が時間外勤務の何時間であるのかを明確しなければならないこと。
当然その示された時間を超える場合には、時間外手当を支給しなければならないこと。
2.年俸制でも時間外労働手当を支払わなければならないこと。
3/.完全年俸制を考える場合、その適用する者が労働基準法第41条に規定する「管理監督者」であるかどうかを会社が就業規則等で規定していなければならないこと。
事例3
経緯
C社は、従業員150名のIT関連企業です。最近、退職する者が続出し、さらに退職者が同業の会社を設立しました。C社社長は、競業避止に当たるのではないかと相談されました。
MIRAIOからの
支援内容
C社から相談を受けたとき、入社時の守秘義務契約の締結、就業規則中に守秘義務規程、退職時に退職者と守秘義務を含む競業避止契約を締結の有無及び秘密とされるものについての保管状態について尋ねました。
回答は、一般的な就業規則のひな形を使って作成したため、一般的な守秘義務規定だけがあり、競業避止契約等については作成すらしていないとのことでした。
また、退職した従業員の役職及び給与における守秘義務業務に対する特別手当の存在についても質問しましたが、退職した従業員は、一般社員で、特別手当などまったくありませんでした。
さらに秘密とされるものの管理については、社内の誰でも見たり、使用することができるような状態でした。
つまり、会社としては完全に無防備だったのです。
結果
<今回の相談のポイント>
競業避止については、退職する従業員の職業選択の自由という観点から慎重に進める必要がありますが、会社としては、就業規則における規定、重要な秘密保持業務を行う者に対する特別手当の支給、退職後の競業避止義務契約の締結、及びそれを締結する範囲、さらに秘密の保管方法の再検討が最低限のポイントとなります。
当然、競業避止義務契約の内容についても、上記挙げた内容だけでなく、競業避止の期間、地域等についても規定しなければならないことも重要なポイントです。
事例4
経緯
B社には従業員が20名おりますが、就業規則がなく、営業ルール、勤務体制や賃金の支払いなど、必要最小限の社内ルールを書面で従業員に説明し配布していたという状況でした。
このままではまずいと思い、最新の労働関連諸法令に対応した就業規則を作ってもらいたい。
また初めてですので、労働基準監督署への届出もお願いしたい。
MIRAIOからの
支援内容
常時10人以上の労働者を使用する事業場では必ず就業規則を作成し、労働基準監督署に届出しなければならないことを社長にお伝えしました。
結果
お困りの点やご要望、運用実態をお聞きし、最新の法令に対応した就業規則、そして業界特有の業務に対応した諸規程を作成しました。
期間:就業規則新規作成 2ヶ月半
事例5
経緯
A社は50名の従業員を抱え、サービス業をしています。
もともと就業規則はあったのですが、法改正に伴う見直しをせず、数年間放置してきました。
最新の法律改正に対応した就業規則を作ってもらいたいのですが…。
MIRAIOからの
支援内容
人事責任者の方に現在お困りになっていることや、変更したい要望事項をヒアリングし、就業規則を改定しました。
結果
特に、数年間放置していたため、育児・介護規程が古く、さらに管理監督者の取扱い、国内出張、海外出張、定年65歳、裁判員制度の休暇取り扱いなど、全般を見直し、労働契約法などの最新の法律改正に対応した就業規則を作成しました。
また、改正した就業規則は労働基準監督署に届出をし、従業員にもきちんと周知するよう、アドバイスをしました。
期間:就業規則変更 1ヶ月半
事例6
経緯
B社はキャラクター商品の小売業をしています。
今は、正社員6名、パートタイマー10名で会社を経営しています。
最近の業績不振により、パートタイマー7名の解雇を考えているところです。
ところが、その解雇を行なうことが全社員に知るところとなり、パートタイム社員と労務トラブルが発生しました。
これまで、解雇予定のパートタイム社員に対しては、1年間の契約更新を3年間に渡り行なってきました。
内、2名は5年以上勤務しており、業務内容も、正社員とほとんど変わらない状態で働いています。
この労務問題について、どうやって解決したらよいでしょうか?
MIRAIOからの
支援内容
パートタイム社員であっても、雇い止めの手続きを適法に行ない、整理解雇の4要件を基準に行なう必要があることを伝えました。
整理解雇の4要素とは、1.人員整理の必要性、2.解雇回避努力、3.人選の合理性、4.手続きの妥当性です。
雇い止めの対象となる有期労働契約は、
1.有期労働契約が3回以上更新されている場合
2.1年以下の契約期間の労働契約が更新または反復更新され、該当労働契約を締結した使用者との雇用関係が初回の契約締結時から継続して通算1年を超える場合
3.1年を超える契約期間の労働契約を締結している場合
になります。
結果
雇い止めを行なう場合、30日前の予告をするのが法律で定められていることも説明しました。
B社の場合、2名のパートタイマーが5年以上継続して契約更新をしており、業務内容も正社員と同様だったため、整理解雇の4要素を基準にする必要があることも理解していただきました。
解雇予定のパートタイマーに人員整理の必要性と内容について、前もって説明会を開き、誠意を持って納得してもらいました。
また、パートタイム社員との労務トラブルが発生した原因についても解明。
B社はパートタイマー社員との誤解を解き、さらに人員整理に対する理解も得ることができました。